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塾長メモ③ 壁を乗り越える

投稿日:2022年2月1日(火)

 

  • 『壁』を乗り越える。

小学校受験は限られた時間で志望校に合わせた実力が付くよう、子どもを仕上げなければならない時があります。4歳までに身の回りの事が自分でしっかり出来て、話の理解が早く、メンタルも自律できている子であれば、ほとんど壁はありませんが、理解力が未熟、運動能力が未熟、家ではできるのに授業やテストでは結果が伴わないなど、多くの子どもたちにそれぞれの『壁』が立ちはだかる時期になってきました。もっとも小学校受験程度では『壁』なんて全く無いと言う方もいらっしゃると思いますが、そういう方もいずれどこかで壁は訪れます。今回は壁に今まさにぶち当たっている方から、ずーっと壁が立ちはだかっている方、まだ壁が無いと言う方まで是非読んで頂きたい内容です。皆様の参考となれば幸いです。

最初のうちは『楽しい』『面白い』などの動機で子どもは習い事や勉強を始められます。そして、回数を重ねて行くにつれ、乗り越えなければならない苦手分野の克服や、高い水準での成績維持といった『壁』が必ず誰にでも出現します。受験の場合、大人達(ご父母や講師)も、子どもたちを点数や理解度の部分で見る事が多くなります。その『壁』を1日も早く克服しなければまわりに置いていかれ、『合格』が無いものと思いこみ、焦ってしまうのです。

まず、冷静に把握しておかなければならない事があります。

→その『壁』は、大人達の勝手な妄想が過剰にイメージされた物ではないか。

(正しい情報を把握し、子どもをちゃんと見ているか)

→他のお友達と比べ、否定的に我が子を見てしまうのが、基本姿勢になってきていないか。

(人は人、自分は自分です。無い物ねだりをせず、今向き合うべき事を見極める。)

→『正解を書かせる、言わせる指導』へ転落していないか。

(正解は考えさせる指導です。しかるべき事にしっかり時間をかけるのです。)

『壁』は人間のスキルアップの為の大きなきっかけであり、誰にでも必ず訪れます。そして未熟な大人がこういったマイナス行動や、くじけてしまう心を誘発する要因を作ってしまいます。まず、『何度言っても子どもがわからない』『何回練習してもできない』と言い訳をする大人にはならないでくださいね。大人でも7回以上言わないと伝わらない物ですし、10回以上練習しなければできるようになりません。子どもだったら最低でも20回以上同じ事を言い続け、繰り返すことを前提に向き合って欲しいと思います。結局『知っていてプラスに関わる』のか、『知らずにマイナスに関わる』のかで教育効果はたちまち反転してしまいます。『壁にぶち当たった時』こそが、人間の限界値を上昇させる絶好のチャンスなのです。ずーっと壁があった方は、ずーっとチャンスがあったのですが、5~6回程度で諦めていた結果、ずーっとチャンスタイム中のままだったわけです。

  • 『壁にあたったときこそレベルアップのチャンスがある』と常に前向きに考えます。
  • 大人側が『伸びない我が子の原因は、大人側の未熟さである』と心に据え、謙虚で、冷静で、前向きな分析を行います。時間をかけて向き合う物と割り切ります。
  • 発想は良い方へ転換し、見る視点は感動する視点に切り替えていきましょう。

生まれて間もない赤ん坊に『はい、あなた。立ってこの赤い方の線をスキップしなさい。』とは当然言いません。けれども我々は、時に5歳の子ども達に、もしかしたら今の自分でさえも出来るかどうかわからない事を要求する事もあります。子どもをよく見ずに、おかしな関わりをしてしまう大人たち自身は、『壁』を通り過ぎ『害悪』になってしまいます。まず1番の未熟者は子どもではなく親である自分自身である事に気づきましょう。月並みですが、その子どもが5歳なら、その子の親になって5年目のあなたも、その子の親として5歳なのです。

子どもができないとき、否定する事も特訓時間を増やす事も悪いことではありません。しかし、それだけでなく、わが子のけなげな努力から生まれた『小さな変化』に気付き、誉め言葉、喜び言葉など感動や応援の言葉を発し、良い方向へ、気持ちもしっかり盛り上げていきましょう。苦しい時間は誰にでも訪れます。苦しい時間の乗り越え方を工夫できる人は、人生の勝者になるでしょう。苦しい時間は未来への投資なのです。

 

 

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