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塾長メモ⑥ 子どもと向き合う

投稿日:2022年4月10日(日)

 1の努力で10の成果を得られる人、10の努力でちょうど10の成果を得られる人、10の努力をしていても、1の成果の人、ひいては1の成果すら得られず、逆にマイナスになる人までいます。小学校受験に限らず子どもの精神年齢や発達段階により様々な様相がある中で受験準備の初期~中期段階で脱落する人は珍しくありません。どれだけ素晴らしい努力が存在しても、年齢を問わず、親と子どもの精神年齢が幼ければ幼いほど、その努力の積み重ねは結果に反映されにくい物なのです。この場合10の努力で5~6の成果が出れば大成功、3~4の成果で御の字、10の努力を積み重ねてようやく2の成果を得るのが普通と考える事です。10の努力で8とか9の成果が得られる事はほとんど無いと心に据えておくことがまず基本姿勢です。
 ただし、【揺るぎなき信念】を持って子どもと向き合っていれば、それまでの無駄に終わったと思われる努力は後から次々に芽吹きだし、5の努力で6~7の実りを得る事もできる奇蹟の時期を迎えることも出来ます。それまで螺旋階段を上ったり下りたりしていた子どもの成長も、エレベーターで一気に10階20階まで上がれるようなスピード進化に変わり、費やした時間と労力を取り戻す事が可能になるでしょう。年長の7月までにこの長くて暗いトンネルを抜け出す事ができれば時間は充分に残っています。だいたいどなたもトンネルの出口は7月くらいに見えてくる物ですが、いつまでも光すら見えない人の主な特徴は、子どもの性格や幼さにより自律に時間がかかっている事、親自身も精神年齢が低い事、家族の協力を得られていない事などが当てはまります。子どもが自覚をし、親の精神年齢が高く、家族の協力に恵まれていて、適時的にアドバイスをしてくれる第3者がいれば、受験準備は勝利に向かって着々と進んで行くでしょう。トンネルはいずれ誰にでも訪れる物ですので、自分達の成長を楽しむ時間に置き換えて気を楽に過ごしてみましょう。

と、ここまではよくあるお決まりの文句です。
家庭環境などを含む様々な境遇で一筋縄ではいかないケースも多いのも事実です。結局は精神論に行き着きますが、今回は子どもとの向き合い方について、少し踏み込んだ話をしてみたいと思います。

 まずは子どもに対して成長や結果を期待しない、焦らない事です。負のスパイラルに陥る方々はとにかく目先の結果にこだわる傾向があります。人間の成長において簡単に1+1が2になれば誰も苦労しません。子どもに合わせて1+1をどれだけ待ってあげることが出来るか、なぜ1+0.1の積み重ねが出来ないのか。
ここで言う、0.1とは勉強をすることだけでは無い事は言うまでもありませんね。子どもと一緒に愉しめるレクリエーションで時間を共有していますか?親の精神コントロールが結果に8割以上影響します。子どもは幼くて当たり前です。自分自身を律することが出来ない親が自分自身の子どもを律し、受験に挑むなど出来るはずがありません。ただ、それが出来る事が当たり前とも言いません。月並みですが大人も子どもも例外なく全て幼いのです。教育や育児は、子どもも親も塾の講師も全てに関わる人の【共育】であり【育自】なのです。それぞれ【自分が変わらなければ】と気づき、過去にこだわらず目の前の未来を見据え、我流で良いので【揺るぎなき信念】を携えて前に進む事が重要な第1歩になります。長いトンネルとは、受験だけで無く人生の岐路で必ず現れる【自分が進化する為の入口】なのです。目先の結果に強くこだわる性格の方は充分気をつけて下さい。
 親子で共有できる愉しいレクリエーションというものは一言に【遊び】でくくらず、心と言葉のコミュニケーションを伴わせてこそ、効果的なレクリエーションになるとご理解下さい。アジュライトでは、心と言葉のレクリエーション授業を通し、毎回子どもたちに心の進化の大切さをうったえかけています。ではその内容を考える時、まず1番何を優先していると思われますか?誤解の無いように、子どもたちの成長を願っているのは言ういうまでもありませんと付け加えておきますが、実は授業を行う私自身が愉しむことを優先して考えています。授業でも1番愉しんでいるのは私自身かもしれません。私自身が楽しくなければ子どもが楽しいわけがないという理屈です。おかげさまで特に年長クラスの授業は子どもたちが楽しすぎてしょうがないという意見を多く頂きます。今子どもたちは教室で心と言葉のコミュニケーションを通し人間力を着々と上げています。しかし、教室では絶対に出来ないレクリエーションがあります。それは、心の進化の土台にあたる【安心】を与えるレクリエーションです。安心というチカラが豊富な子どもは遺伝子や能力に関係なく素晴らしい伸び方をします。子どもにとっての安心とは、言うまでも無く親です。所詮他人では与えられない力ですね。今の我が子にとって、世界中の誰よりも安心できるのがあなた自身であること、親でなければなりません。ただし、前述したとおり大人だって未熟で充分な知識もありません。更に精神年齢が低く子どもと同レベルでお互いの足を引っ張り合っているだけの関係だと、受験準備などしても負のスパイラルに陥ってしまうことは明白ですし、合格にはほど遠くなってしまいます。ただそれも進化のための必要性と必然性から生まれてきたトンネルですので、チームが成長する大チャンスなのです。ピンチになった時こそ、今がチャンスだと気づく前向きさがあれば、受験だけでは無く人間は何でもできるのではないでしょうか。その原動力はまぎれもなく家族という安心のチカラでしょう。
話を戻しますが、親子で一緒に行うレクリエーションは、必ず親自身が楽しめるテーマで行いましょう。それが1番理想的なレクリエーションです。冒頭で述べたように、幼児に対して1の努力で1の結果を導き出す事はとても難しい事です。母親へのフォローも同じで、1のフォローですむ方もいれば、10のフォローで足らない方もいらっしゃいます。何よりも【自分で気づく事】が1番納得できる結論に辿り着く為のポイントです。少々方向性がズレていたとしても【揺るぎなき信念】をもって事にあたれば、修正すべき時に素速く気づく事ができます。

 なかなかうまくいかない受験準備で子どもと向き合う事ができない人の特徴とは、物事を冷静に考えられない、幼い子どもと同レベルの親がそこにいるからなのです。全てのご父母と子どもたちに共通したエールをおくるとしたら、『あなたが決めたことに【揺るぎなき信念】を持ち、弱音を吐きながらでも、ひたすら頑張り続けよ。』と言わせて頂きます。安易に楽な方法やうまい話に期待せず、子どもと向き合いながら、自分自身と向き合うのです。目標を持って突き進めと言う言葉をわかりやすく言うとそういう事だと思います。

 叱られたり、誉められたり、喜んだり、悲しんだりを繰り返しながら子どもの精神年齢は上がっていきます。誉めてばかりでは進歩も乏しく、叱ってばかりでは自己肯定感の乏しい人間になります。子育ての落とし穴とは、よくある育児書に書いてあるような理想論を鵜呑みにして我が子の子育ての本質を見抜けない所にあるのです。そして叱ることよりも誉めることよりも自分と子どもとの理想的な距離感を保つため、心と言葉のコミュニケーションの豊富なレクリエーションを繰り返しましょう。小さい子どもを受験に向かせる意味でも、長いトンネルを抜け出す意味でも良い気づきときっかけが得られるはずです。

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